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卒業生紹介

制度による支援だけでなく、心に寄り添った支援を

医療ソーシャルワーカー(MSW)の仕事

「受容・傾聴・共感」が 本当に必要な支援につながる

勤務する佐用共立病院は13の診療科を備え、 急性から慢性期まで対応する地域の中核的な病院です。医療ソーシャルワーカー(MSW)で ある私は「地域連携課」に所属。患者様が退院 する際に、介護度の変更に伴う手続き、訪問看護やデイサービスなど退院後の看護・介護サー ビスの説明、それらを利用するにあたっての保 険制度の説明などを行っています。福祉施設な どに所属するケアマネジャーと情報を共有し、 患者様が退院した後のサポートについて話し合 うなど、病院と自宅、あるいは病院と福祉施設の橋渡しをし、生活の場所が変わっても患者様 が安心して暮らせるようにお手伝いしています。

仕事で心掛けているのは、福祉の基本とされる「受容・傾聴・共感」です。働き始めた頃の私は、「この人にはこの方法がいいに違いない」と独り よがりに提案しがちでした。でもそれでは、患者 様やご家族は納得してくれませんでした。困り事 や悩み事、揺れる心などをまずは受け止め、共 感することが大切だったのです。そうするとご本 人やご家族も本音を話してくれるようになり、気持ちを整理したうえで支援について考えてくれるようになりました。制度に関する知識はもちろん大切です。でもそれと同じぐらい、「受容・傾 聴・共感」が大切だと考えています。

チームが一丸となり、コロナ禍でも 「その人らしい最期」を支える

一人ひとりの患者様が思い出深いのですが、特に印象に残っているのが、コロナ禍の時期に自宅で亡くなられた患者様です。

当時、感染の拡大を防止するために、家族であっても面会は厳しく制限されていました。最期が近づいたとき、ご家族は自宅での看取りを希望されました。この思いを実現するため、MSWである私だけでなく、医師や看護師、ケアマネジャーなど、チームが一丸となって支援方法を考えました。ご家族には痰の吸引を練習してもらうなど、自宅で穏やかに過ごしてもらうための指導なども行いました。

この患者様は、希望されたとおり自宅で最期を迎えられました。医療や福祉などの専門家が知恵を持ち寄ることで、どんな状況であってもその人らしく過ごしてもらうことが可能なのです。後日、ご家族から感謝の言葉をいただいたことは、今も忘れられません。

「あなたが言うなら、そうする」と言ってもらえるMSWに

私が大切にしている「受容・傾聴・共感」という心構えは、大学の授業で習ったことです。当時は「そうなのか」ぐらいの気持ちで受け止めていましたが、こんなにも大切だとは思いもしませんでした。とはいえ、まだまだ十分に実践できているとは言えません。これからもずっと大切にし、追求していきたい心構えです。

今後の目標は、患者様やご家族とより一層の信頼関係を築くことです。佐用共立病院では、MSWも積極的に病棟に上がり、患者様やご家族と話す機会を設けています。たわいのない話からなかなか口に出せない本音の話まで会話を重ね、その結果として「松原さんが言うなら、そうするよ」と言ってもらえるほど信頼を寄せてもらえるMSWになりたいです。

松原 愛良さん

社団一葉会佐用共立病院

社会福祉学部 社会福祉学科 2015年卒
(兵庫県 佐用高校出身)

MSWは目立たない仕事かもしれませんが、退院時に は絶対に必要な仕事です。ご自身や家族などが入院 することがあれば、ぜひMSWにも注目してみてくだ さい。きっと、頼もしい仕事をしてくれているはずです。

※掲載写真・所属・内容等は取材当時のものです