卒業生紹介
自分で考えて行動する大切さを伝えたい
小学校教諭の仕事
一人ひとりと向き合い子どもの心を育む
私は高知県いの町立枝川小学校6年1組の担任です。大学卒業後、本校に勤務して3年目です。昨年度、5年生の担任となった当初はクラス内に学習規律や校内ルールを守れない子どもが何人かいました。頭ごなしに叱っても子どもは行動を変えられないと考え、「下級生から憧れてもらえる存在になろう」と言い続け、一人ひとりと向き合い、どこをどう直したらいいのかを指導しました。一方で叱られると落ち込む、授業がわからなくて泣いてしまうといった子どももいたのですが、同様に個々に向き合うことで、メンタルも強くなってきました。今は3学期なので、中学生になることを意識して「返事をする」「挨拶をする」「5分前に準備」「チャイムの前に着席」など生活面の自律性も高めています。
教科では、国語に力を注いでいます。6年生の子どもたちは、いの町長に向けて町の課題解決を提案するというプレゼンに挑戦しました。人口減少や将来の財源を想定し、子どもならではの計画を発表。町長から各発表に具体的なコメントをいただき、子どもたちも自信がついたようです。感想文では「最初は人任せにしたけれど、みんなと協力できた」「これからもいの町のために考えたい」とあり、子どもたちの成長ぶりに驚きました。
めざしてもらいたいのは自ら考え行動できる人
6年生の担任として、私は子どもたちに「目標を立て、意識をし、行動する」という指導もしています。なかでも、どう行動するかは状況にもよるので子どもにとって難しいものです。そこで、良い行動をした子どもを帰りの会などで紹介し、身近な具体例で「そうすればいいんだ」と理解してもらうようにしています。
例えば、今は新型コロナ感染症対策で子どもたちは掃除をせず、教員が授業の合間に教室の掃除をするときもあります。ある日、音楽室から教室に戻った一人が、私が掃除をしていることに気づいてちりとりを持ってきてくれました。状況を見て動いたことは良いことだとクラスで共有しました。自分で考えて行動することは、大人になってからも大事なこと。いつか、「あのとき、先生が言ってたな」と思い出してくれたら嬉しいですね。
学習でつまずかないよう学力を備えさせたい
私がめざしているのは、学級経営と授業、両方の力をもつ教員です。学級経営とはクラスを運営することで、目標を立てて団結し、学校が楽しいと思えるようにすることです。卒業を控えた今、子どもたちから「この1年間がすごく楽しい」と聞くと、やってきたことは無駄でなかったと思います。
そして、授業ではどの教科においてもその学年で学ぶ知識をきちんと身につけてほしいと考えています。例えば、小学生も1人1台のタブレット端末を用いた学習が始まりました。最初は面白がっていても、いざ操作する際にローマ字が打てずにつまずいてしまう子どももいます。できないことが重なると自己肯定感が低くなり、取り組む気力も失われてしまいます。そうならないためにも、一つひとつの授業が大切だと感じています。
稲垣 真治さん
教育学部 児童教育学科 2019年卒
(兵庫県 網干高校出身)
子どもは、学校という集団生活のなかで日々成長しています。その姿を間近にみることができるのが教員です。教員になるには教員採用試験に合格しなければなりませんが、努力してなる価値は十分にあります。
※掲載写真・所属・内容等は取材当時のものです