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卒業生紹介

過酷な現場に備え、心も体も鍛える

消防士の仕事

消火·救助·救急活動へ指令後即座に出動

私が勤務するのは、兵庫県尼崎市消防局の中消防署三和分署です。管轄区域は、主に尼崎市内の中央地区。業務は大きく3つあり、消火活動、救助活動、救急活動です。消防局では、まず119番通報が尼崎市消防指令センターに入り指令が流れます。救急活動は指令後1分以内、消防活動は2分以内に出動し、現場へ向かい活動します。

三和分署には市内で唯一の水難救助隊があるので、私も昨年、潜水士の資格を取り、水難救助隊に加わりました。また、専門教育の救急科の課程も修了したので、今春から救急隊員としても従事しています。

水難救助隊は、馴染みがないかもしれませんが、海や川などに人が落ちたなどの通報を受けて、救助に駆けつける隊員です。水面上に目印のブイを設置し、機材を装着して潜水。水中にいる人を探し出し、陸上に引き上げます。尼崎市は都市部なので、海中の視界はほぼゼロ。暗闇でも連携をとって救助できるよう、日頃から隊員同士で訓練をしています。人を運ぶために泳力も鍛えています。

人を助けるため心も鍛えて自分も守る

消防活動では、大きな炎上火災の対応もあります。昨年の冬、消火水を浴びながら8時間にわたり活動し続けたこともありました。燃え上がる建物に入る際は、足元の踏板が抜けたり、焼け細った建物の2階部分が落ちてくることもあるので、「恐い」と感じることもあります。ですが、消防士は決して「恐い」「きつい」「しんどい」などの表情を出してはいけないのです。救助する人、周囲の人を不安にさせないために、体だけでなく精神面も鍛えていかなくてはならないと、自分自身を奮い立たせています。

また、消防や救助活動では、自分が負傷してしまうと、人を助けるなどの活動ができません。現場に出る度に、自らの安全管理も重要だと実感します。

消防士として働き始めて2年。さらに知識や技能を身につけて、より必要とされる消防士になりたい。そのためにも、さまざまな業務に積極的に取り組んで、経験を重ねていきたいです。

大学で学んだ接遇が救急の現場で活かせる

私が消防士をめざしたのは、神戸出身なので、幼い頃から震災教育を受けてきたことが大きいです。「将来は人を助ける側になろう」と自然に考えるようになりました。そして、関西福祉大学を選んだのは、スポーツ推薦の制度があったことと、体や心が弱っている人をどうやって助けるのかを学ぶには、社会福祉の分野が近いはずだと考えたからです。

大学の学びでは、カウンセリングや接遇の授業が興味深く、今でも思い出します。相手が話しやすいよう、「目線を合わせ」「頷きながら聞く」というのが基本。これらは、私たち隊員にとっても必要なことです。例えば、救急車で搬送中の方やご家族から、容態や状況の情報を聞き出さなければなりません。辛い状況でも話してもらいやすいよう常に心掛けています。

野町 郁弥さん
尼崎市消防局 中消防署 三和分署
社会福祉学部 社会福祉学科 2020年卒
(兵庫県 須磨翔風高校出身)

消防や救急で出動する先は、これまで遭遇したことのない現場です。自分の常識にとらわれないよう、できるだけ多くの人と接したり関わったりして、視野を広げておくことも大切だと思います。

※掲載写真・所属・内容等は取材当時のものです