卒業生紹介
終末期の方でも人の営みを感じてもらえるよう全力を尽くす
看護師 訪問看護の仕事
訪問看護ステーションに勤め自宅療養の方をケア
「MEIN HAUS」は、訪問看護ステーション、看護小規模多機能型居宅介護、居宅介護支援、療養通所介護(デイサービス)、児童発達支援・放課後等デイサービスを運営する事業所です。私は、訪問看護ステーションに勤務する看護師です。このステーションは、神戸市須磨区全域をカバーし、自宅で療養する方の訪問看護をしています。これまで1000人を超える看取りもしてきました。緩和ケア認定看護師や訪問看護認定看護師、特定看護師もいます。
具体的な業務は、療養中の利用者様の点滴、人工呼吸器、人工肛門、胃ろうなどの管理です。このほか、身体状態によっては、食事や入浴の介助などもします。経過観察をした上でリハビリ等も行います。なかには、医療依存度の高い方もいますが、私たちは可能な限りの処置をして、入院中に近い医療提供をしていきます。
訪問看護の主な現場は、設備の整った病院等ではなく、利用者様のご自宅です。そこでは、医師の指示を聞くのではなく、自分で症状等を観察してフィジカルアセスメントをしなければなりません。その辺りが難しいところでもあり、やりがいでもあります。
訪問看護だからできる「療養上の世話」もある
看護の二大業務は、「療養上の世話」と「診療の補助」です。訪問看護の業務では、この「療養上の世話」が占める割合も大きいです。終末期の方を看取ることもあり、私が担当したなかに、がん末期の方もいました。その方は、人工呼吸器装着、中心静脈栄養点滴、鎮痛剤の持続投与、人工肛門など体中にチューブを装着していました。ご家族は不安だったようですが、ご本人の希望で帰宅され、私が訪問看護にあたりました。
私は、その方に少しでも人間らしい営みをしてほしいと思い、経口摂取のトレーニングをしたり、入浴の介助も行いました。病院では治療に専念するため、入院中にこのような介助はありませんでした。でも、療養中のご本人の希望なら、訪問看護はそれができます。余命1カ月と宣告されていたその方には、一日一日を大切に生きてほしかったのです。ご本人から「ありがとう」と言われたときは私も感無量となりました。プラス思考で取り組んで良かったと思い、訪問看護師としての自信につながりました。
「人の役に立ちたい」が看護師をめざした原点
私は中学、高校と野球部で汗を流しました。高校時代、足首のケガをして入院をしたことがありました。動きたくても動けない状況に落ち込みましたが、そのときの担当看護師さんから「焦らず、今できることを探してみては?」とアドバイスをもらい、私の視点で考えてくださった言葉に勇気づけられました。そこから、自分も社会に出たら人を勇気づける、人の役に立てることがしたいと、看護師をめざすことにしました。
大学時代は、周囲がやりたがらないことにも積極的に取り組みました。例えば、実習のリーダーもその一つです。看護実習ではさまざまな現場に行きますが、そのたびにリーダーとなって学生を取りまとめ、実習先との調整役に。こうした経験も自分の対応力を高めることにつながったと思います。
井手 幸太さん
看護学部 看護学科 2014年卒
(岡山県 玉野光南高校出身)
看護師の世界は広いです。助けを求めている人は、病院だけでなく、町中にたくさんいます。あなたも看護師となって、多くの人を助けてください。そのためには、良い経験も苦い経験も重ねて、視野を広げておくことです。そのことが将来、役に立ちます。
※掲載写真・所属・内容等は取材当時のものです