卒業生紹介
さまざまな事を経験し、幸せな母へ変っていく数日間。そこに立ち会う幸せ
助産師の仕事
母親と赤ちゃんの触れ合いに重きを置いた産後ケアを展開
私が勤務する岡山医療センターは、出産直後から赤ちゃんとお母さんの触れ合いを重視しており、母乳育児や母児同室を推奨しています。
出産直後のお母さんは、体力的にも精神的にも消耗が激しいです。そのため、ゆっくりと休ませてあげたいという思いから、赤ちゃんをお預かりしたり、お母さんにかわって哺乳をしています。
赤ちゃんと触れ合うことは愛着が増したり退院後の生活リズムをつかみやすくなったりするというメリットがあるのですが、疲労している場合は、育児不安が増したり、母乳の分泌が少なくなるという課題もあります。そこで私たち助産師が、お母さんの希望や疲労を見極めながら、触れ合いと休息の最適なバランスを取っています。
これらの役割は、産婦人科病棟内の「褥婦チーム」が担当しています。もう1つの「他科・妊婦チーム」は、妊婦さんの点滴管理や手術を受ける患者様の管理などを担当しています。勤務1年目にはどちらのチームの仕事も経験し、いろいろな疾患のみれる助産師となるため日々がんばっています。岡山医療センターは総合周産期母子医療センターとして地域の中核的な病院でもあるため、切迫早産や糖尿病の合併症で症状が深刻化した方など、緊急で運ばれてくる妊婦さんもおられます。そういった妊婦さんへの対応も、私たち助産師の役割です。
退院後の生活を見据えて個人に応じた支援を行う
退院後の育児環境は人それぞれです。里帰り出産で実家の支援が得られる人やパパが育休を取得している人もいれば、それらの支援がまったくない人もいます。そういった状況を把握し、その人に応じた支援を行うように心掛けています。
産後の入院期間は基本的に6日間です。出産当日は疲労困憊で、お母さんも自分のことで頭がいっぱいです。2~3日目は育児への不安で気分が沈む人も少なくありません。前向きになるのは4日目ぐらいから。そこから授乳をはじめとした育児技術を学ぶのです。最初はおっかなびっくりだったお母さんも、徐々に上手に授乳できるようになると、表情に自信が浮かんできます。そして退院の日には、しっかりと母の顔になっているのです。その変化を間近で見守ることができ、幸せそうな家族を病棟から送り出すことができるのが、この仕事ならではの喜びです。
妊娠にまつわる女性の揺れる心を学んだことが役立っている
学生時代に「ウィメンズヘルス」の授業で生殖医療について学んだことが、今の仕事に役立っています。このときは、人工中絶とメンタルケアについて調べました。中絶を決意して病院を訪れる女性は、吹っ切れたように見える人が多いです。でもそこにいたるまでに悩みと葛藤を重ねています。実際には吹っ切れていないこともあります。勤務先の病院にも人工中絶で来られる方もおり、どのように接するべきかを考える際、学生時代の学びを思い出しています。
今後の目標は、産後ケアを中心とした仕事をしていくことです。母乳とミルクのバランスの見極めや退院後に向けた指導など、学ぶべきことは多いです。先輩たちのように、お母さんの様子を見ながら母子がしあわせになるような支援を行える助産師になることが、今の目標です。
内海 和奏さん
看護学部 看護学科 2024年卒
(兵庫県 姫路南高校出身)
勉強や仕事が大変なとき、支えになってくれるものは目標やあこがれの存在です。医療ドラマの主人公が、私にとってあこがれの存在でした。ドラマを見るとモチベーションが上がりますよ。
※掲載写真・所属・内容等は取材当時のものです