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卒業生紹介

心と体の両面から児童の成長を見守る

養護教諭の仕事

成長期の6年間。年齢に合わせて対応

広島県三原市立糸崎小学校は、146人の児童が通う小学校。私はここで養護教諭として勤務しています。養護教諭の仕事は、大きく4つあり、保健指導、保健室対応、不登校や登校しぶりなど配慮が必要な児童の支援、そして、食物アレルギーなどの対応です。

小学校の6年間は、身長も体重も心も大きく成長する時期。それぞれの年齢にふさわしい対応ができるよう心掛けています。例えば、まだ小さな1年生にはお母さんのように声をかけ、思春期に入る5・6年生にはお姉さんのように接するなど成長や発達段階に合わせた対応によって、児童の心に届く的確な処置やアドバイスができるからです。全校児童の心と体を見守り支える。それが養護教諭の役目です。

とはいえ、これまで大勢の子どもの前で話す機会が少なかったので、着任したばかりの頃は、全校朝会や各クラスで行う保健指導の授業などで戸惑うこともありました。そこで、周囲の先生方のやり方を見習い、低学年にはわかりやすい言葉を使ったり、高学年には主体的に考えられるような声かけを行ったりしました。試行錯誤の結果、今では児童の様子を把握しながら、授業などを進めることができるようになりました。

「いってらっしゃい」と保健室から児童を見送る

日々の保健室対応では、来室する児童に「いらっしゃい」と声をかけます。ケガをしていれば速やかに応急手当てをします。具合が悪そうにしている児童に対して、いきなり来室した理由を聞くことはしません。「夕べは何を食べた?」「何時に寝た?」と、体調に関わるアセスメント(評価)から始めます。児童は「自分のことを聞いてくれる」とわかれば安心し、心を開いて話してくれます。食事や睡眠、あるいは友人関係など、範囲を広げて体調に及ぼす原因は何かを探っていきます。

私が大事だと考えていることの一つに、なぜしんどい状態なのか、児童自身がその状況に納得してもらうことがあります。このため、対応は児童のペースに合わせてあわてずゆっくり進めます。そして、児童が落ちつきを取り戻して保健室から教室へ戻るときは「いってらっしゃい」と見送ります。保健室が児童にとって安心できる場所でありたいと思うからです。

看護学部で学んだ予防の大切さが原点

看護師をめざしたのは、母が看護師だったこともありますが、高校のときの養護教諭の先生との出会いもあります。生徒が病気にならないよう、知識をもって校内環境を整えてくださる姿に関心をもちました。

また、看護学部の実習では、育成期から老年期まで人の一生を見ることができ、そのとき、病気に苦しむ多くの患者様に会いました。看護の学びでは、食事の仕方や運動などの生活習慣の改善によって、その先に起こり得る大きな病気を防ぐことができることもわかりました。病気を防ぐために、自分は何ができるのか。幼少期に正しい生活習慣を身につけてもらうことが病気の予防につながる。そうした予防の観点で、養護教諭の道に進もうと決めたのです。

新川 明莉さん
広島県三原市立糸崎小学校
看護学部 看護学科 2020年卒
(広島県 神辺旭高校出身)

大学時代、私はオープンキャンパスのスタッフで、保護者や外部の方と接する機会がありました。その経験が今、養護教諭で人と接する場面で役立っています。この仕事をめざすなら、コミュニケーション力を養っておくのも大切です。

※掲載写真・所属・内容等は取材当時のものです